2011年5月7日土曜日

Intel Smart Response Technology (SRT) & Lucid Virtu

 今月発表になるIntel Z68 chipsetで注目されているらしい機能が二つあると言われ、調べてみました。(本当は3つあってオーバークロックがどうのとも言われたのですが、これは無視。)

 とりあえず新機能がIntel Smart Response Technology(以下、SRT)とLucid Virtu(以下、Virtu)であることはわかりました。
 SRTはMarvell HyperDuoとよく似ていて、HDDの巨大なキャッシュ領域としてSSDを使って高速化してしまおう、というもの。Virtuは、CPU内蔵グラフィックスとPCIEグラフィックスカードを負荷等の状況により使い分けるハイブリッドな機能。

 SRTについての実動作レベルでの注意点。(テクノロジーについてはあまり興味無いしわかりません…。)

・RAIDモードでのみ使用可能。
・対応OSはWindows Vista/7。(これらがベースの2008やWHSでも動きそう?)
・SSDのキャッシュ化設定はOSインストール後に行う。
・SSDの一部をキャッシュとするか、全量にするか選択ができる。
 一部利用の場合、残りスペースはユーザーが使用できる。
 (使用中のSSDの残量をキャッシュとして利用することはできない。)
・拡張/高速の2モードある。
 拡張モードではSSD内の内容をHDDへ頑張って同期するので比較的安全。
 リスクの高い高速モードは、言うほど高速ではないらしい。
・設定後も無効化、有効化、モード変更が可能。
・Intel製SSDでなくとも大抵動作する。
・HDD+SSDボリュームはSSDの7~8割程度のパフォーマンスとなるので、Write速度もHDD以上のSSDを選択した方が幸せになれそうな気がする。
・Z68の持つSATAポートの中で、SSDをキャッシュとして使用できる対象は一つのディスクのみ。
 シングルディスクでパーティションが区切られている場合も、その物理ディスク全体に有効。
 RAIDアレイのキャッシュとしても使用できる。HDDx2(mirror)+SSDはRAID5より良さそうな気が…。
 Matrix RAID構成のディスクにはSSDをキャッシュとして使用できない。
・Intel RAIDはブートドライブとしては元々2TBのドライブ、ボリュームまでしか対応していないため、3TB HDDを使用する場合はマザーボードとBIOSが対応しているか確認する必要がある。(SRTはRAID0(Cache)モード扱いとなる。)

 いつでもモード切替が出来るあたり、使い勝手が良さそうですね。AHCIモードで動かない点は要注意です。

 たまにデータに誤り(と思われるもの)がありますが、参考にSSDレビューサイトを一つ。

SSD Review:
http://www.ssdreview.com/

 Virtuについては、Hybrid SLIやHybrid Crossfireのような自己満足機能じゃないかとも思うのですが、Intel Quick Sync VideoというCPU内蔵GPUの機能のパフォーマンスが向上するそうで、一部で流行るのかもしれません。あ、表向きには、二つのGPUを使い分けて無駄な電力消費を抑えるというのが売りみたいです。

 注意点になりそうなことは、下記の通り。

・対応OSはWindows7のみ。
・VirtuはLucid社から提供されるソフトウェアで動作するものなので、安定性は未知数。
・AMD ATI HD6XXXは今日現在ではまだ正式サポートの表記が無い。(そのうち正式対応するでしょう。Asrock社のマニュアルでは対応が謳われています。)
・Nvidia GeForce 9XXX以前のシリーズは正式サポートされていない。(これは今後もダメっぽい?)
・Z68のiGPU Multi Monitor機能を有効にしておく必要がある。(通常、UEFIでの設定が必要。)
・モニターとのケーブル接続ポート(UEFIで設定するプライマリGPU)によってモードが変わる。
 マザーボードのビデオ出力端子を使用すると、i-mode。(状況によりGPUを切り替える省電力モード。)
 PCIEグラフィックスボードの出力端子に接続すると、d-mode。(グラフィック性能とQSV機能を両立させるパフォーマンスモード。)
 マザーボードにビデオ出力端子の無い場合、i-modeは使用できない。
・実装にはマザーボードメーカーがLucid社からライセンスを取得する必要があるようなので、マザーボードやメーカーによってはこの機能は使えないかもしれない。購入前に要確認。
・無駄な電力消費を抑えると言ってもCPU内蔵GPUで事足りるPC用途であれば、ベースになる消費電力は当然上がってしまうし、システムの安定性からもi-modeであってもこの機能を使う意味は無い。

Lucidlogix virtu:
http://www.lucidlogix.com/product-virtu.html

Asrock Lucid Virtu Installation Guide:
http://download.asrock.com/manual/Virtu/Z68%20Extreme4/English.pdf

※私の思い込みの部分もあるかもしれませんし、Intel Rapid Storage TechnologyやLucid Virtuのアップデートで動作が変わることもあると思いますが、ご参考まで。

4 件のコメント:

  1. Z68Pro3使用
    Virtuですが、i5とi7のKシリーズしか使えないみたいですね。
    HDG3000ならOKかと思いi3-2105ではインストールできませんでした。

    SRTでD400使用。AHCIでRapidStorage Driverを10.5.0.1027に変更したところ、BOOTが高速化
    RAIDやってみればよかったのですが・・・・・

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  2. >匿名さん
    確かに公式サイトにあるtom's hardwareのリンクにはi5/i7のKのみ対応と書かれていますね。暇が出来たら試してみます。これまで偶然2500Kと2600Kを使っていたようです。
    それにしても、Virtuはしばらく使い物にならないのかもしれませんねぇ…。

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  3. 匿名です(爆)
    RAIDやってみました。
    SSDをBOOTにしているとキャッシュ化できないみたいです。
    RAIDでもAHCIでもスピード変わりません。
    あ、RapidStorage Driver10.5.0.1027は何故かIntelのサイトにありませんでした。
    アスロックのサイトから落としてください。

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  4. >髭さん
    そうですね。ISRTはあくまでもSSDをキャッシュとして使うので、SSDにシステムを入れてしまうと使えなくなってしまいます。
    もう一台SSDがあればよいのですが(;^ω^)

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